産業用ロボットの作業効率を高める周辺機器と装置の種類と機能

産業用ロボットの周辺機器とは？

産業用ロボットが単独で作業を行うことは稀で、多くの場合、周辺機器と連携してシステムとして動作しています。ロボットの効率を最大化するためには、部品供給装置や搬送装置、安全柵など、作業環境に応じた適切な周辺機器の導入が重要です。以下では、主な周辺機器の種類と特徴について詳しく紹介します。

1. 自動供給装置

自動供給装置は、部品や材料を適切な位置と姿勢に整えてロボットの手元に供給する装置です。これにより、ロボットが効率的に部品を扱うことができ、作業スピードが向上します。自動供給装置の供給方法には、次のような種類があります。

連続供給方式

部品を連続的に供給し、ロボットの作業を止めることなく稼働させる方式です。

製造供給方式

特定の順番で部品を供給する方式です。

配列供給方式

一定の配列で部品を並べ、供給する方式です。

列供給方式

ばら積みされた部品を整列させ、決められた位置に供給する方式です。

2. 自動搬送装置

ロボットが作業を進めるうえで、部品や製品の移動は自動搬送装置が担います。代表的なものには以下のような装置があります：

無人搬送車（AGV）

磁気テープや床面のガイドに沿って自律的に移動する車両で、製造現場や物流施設で多く使われています。

自律搬送車（AMR）

AGVとは異なり、固定ルートが不要で、センサーやカメラで周囲を認識しながら障害物を避けて自由に移動します。これにより、柔軟性の高い搬送が可能です。

棚搬送ロボット（GTP）

QRコードなどのセンサー情報を用い、倉庫の棚を作業者の近くまで自動で運びます。

3. コンベア

コンベアは部品や製品を一定速度で運搬するための装置で、搬送距離や速度に応じてさまざまな種類があります。産業用ロボットにとって最も馴染みのある装置の一つです。

ベルト式コンベア

最も一般的なタイプで、フレームにベルトを装着して搬送物を運びます。水平・垂直・凹凸の搬送が可能で、柔軟な配置が特徴です。

チェーン式コンベア

チェーンの上に直接搬送物を載せて運びます。耐久性があり、重量物や高温環境での搬送に適しています。工場内でのパレット搬送などで使用されます。

4. インデックステーブル（回転テーブル）

インデックステーブルは、回転するテーブルで、部品を一方向に定位置で移動させる装置です。産業用ロボットにとって部品を整然と位置決めしやすい機能を提供します。以下が主なタイプです。

ロータリ式

ギアによって高精度で位置決めが可能で、テーブルの速度調整も容易です。

インデックス式

回転テーブルが一方向に間欠的に動作し、停留と位置決めを行う方式で、組み立てや検査工程に向いています。

産業用ロボットと周辺機器の連携の重要性

周辺機器と密接に連携させることで、産業用ロボットが持つ能力を最大限に引き出すことができます。部品供給装置や搬送装置は、ロボットが最小限の動作で作業を完了できるような配置にしましょう。また、安全装置やインデックステーブルを適切に設置することで、作業環境の安全性と効率も向上します。

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